アジア資本の対日投資には次の2つの特徴がみられる。
第一に、日本企業の技術とブランドを評価し、グローバル製造業の移転・バージョンアップを主体的に引き受けようとしていることだ。

台湾の鴻海集団が3888億円でシャープの株式の66%を買い取ったケースや、美的集団が東芝の白物家電事業を買収したケースがこの特徴に当てはまる。ここ数年、日本の消費電子産業は競争上の優位性が弱まり、その一方でアジアの相手先ブランド製造(OEM)メーカーが過去数十年にわたる蓄積を経て、今や「生産基地」の役割には満足しなくなり、産業チェーンの川上を目指して遡上することを切に願うようになった。そのような折にシャープと東芝が経営不振で巨額の損失を出し、鴻海と美的は実際のところ、資本をめぐる「救済者」の役割を演じたといえる。

第二に、観光などの新興産業への投資が積極的に行われている。

近年、日本は査証(ビザ)発給要件の緩和などで外国人観光客の呼び込みに力を入れている。15年の訪日外国人観光客数はのべ2千万人に迫り、前年の1.4倍に増えた。特に中国と東南アジアからの観光客が倍増した。格安航空会社(LCC)、免税店、ホテルなどの観光関連施設がアジア資本の間で新たな人気分野となっている。中国の春秋航空や上海吉祥航空といった航空会社が日本路線を相次ぎ拡大しており、人口減少で経営が不振に陥った日本の多くの地方空港に活力を注入している。
また新興国で中産階級の生活水準が向上したことにより、アジア資本は日本の金融、不動産、食品輸出などの高級志向のサービス業への興味を募らせている。ここ2年間に行われた大規模M&A案件をみると、アジア資本による銀行、商用不動産、大手商社に対する出資や買収のケースが相当数に上る。

ーー人民網日本語版より